蛇口の修理や交換 | 洗面(洗面台)
投稿日:2020.07.03
前回、前々回と台所(キッチン)蛇口とお風呂(浴室)蛇口について書きました。
今回は洗面蛇口について書きたいと思います。
台所や浴室に比べて洗面の蛇口は形や種類が多く色々と複雑です。
まずは洗面で使われている蛇口の種類を見てみましょう。
洗面蛇口の種類
洗面蛇口の種類をざっと挙げてみると
- デッキ式単水栓
- デッキ式ツーバルブ混合水栓(ツーホール)ツーハンドルとも言います
- デッキ式シングルレバー水栓(ワンホール)
- デッキ式シングルレバー水栓(ツーホール)
- シングルレバーシャワー水栓
などなど、そのほかにもサーモスタッド式水栓などがあります。
洗面蛇口の場合はその多くが洗面台惜しくは洗面器に取り付けられています。
そのためデッキ式水栓が多く見受けられます。
このデッキ式水栓を取り付けるための穴が洗面台や洗面器にあけてあるのですが、この穴の大きさによって取り付けできる蛇口が限られてきます。
小さな取り付け穴には取り付け部分が大きな蛇口はつけられないですし、大きな取り付け穴に小さな取り付け部の蛇口をつけようとすると、穴から落ちてしまいます。
洗面蛇口の交換の際にはその洗面台や洗面器にあった蛇口を選ぶことが必要です。
洗面蛇口でよくある故障
洗面蛇口でよくある故障の例を挙げてみます。
- 蛇口の吐水口からポタポタ水漏れする。
- レバー式蛇口のレバーが硬くなった。
- バルブ式蛇口(ハンドル式蛇口)のバルブ(ハンドル)の根元からじわじわ水漏れする。
- デッキ式水栓の根元に使っていなくても水がたまる。
- 洗面台の下から水が漏れてきた。
などなどです。
次はそれぞれの故障について修理方法を見てみましょう。
洗面蛇口の修理
蛇口の吐水口からポタポタと水漏れする
一番多い水漏れです。
この症状の修理は大きく分けてふた通りです。
単水栓やツーバルブ混合水栓(ツーハンドル混合水栓)の場合
もっとも多い原因がハンドルを取り外した蛇口内にあるケレップの経年劣化です。
台所蛇口や浴室蛇口同様にハンドルの下にはこま型のケレップと言われる部品が入っています。こまパッキンなどとも呼ばれる部品です。
このケレップのゴムの部分がすり減ってくると水漏れし始めます。
通常ですと5年も使っているとゴムが溶け始めますので、定期的にケレップを交換してあげるのが蛇口が長持ちする秘訣です。
ここで一番やってはいけないのが水漏れし始めてもケレップの交換をせずに、ぎゅーっとハンドルを強くしめて無理やる水漏れを止めてしまうことです。
無理に力を入れてハンドルを閉めると、ケレップを抑えるスピンドルという金属の部品が欠けてしまったりします。
もっとひどくなると蛇口本体のスピンドルを受ける溝の部分までかけてしまったりします。
修理は遅くなればなるほど故障箇所が大きくなってしまうので水漏れを感じたら早めに修理するようにしてください。
あまり状態がひどい場合は蛇口の交換をお勧めします。
レバー式水栓の場合
レバー式水栓の場合は水の吐水止水を行うのは、ケレップ(こまパッキン)ではなくカートリッジです。カートリッジは筒状の部品で内部の板状の部分に開けられた穴の開閉によって湯水の吐水止水を行なっています。
レバーの上げ下げや左右によってこの板状の部分を操作するのですが、長年使っているとだんだんと擦り切れて磨耗してしまいます。
そうなると水漏れし始めますので、その際はカートリッジの交換が必要です。
台所蛇口や浴室蛇口同様にメーカーごとや同じメーカーでも品番によって使われているカートリッジが違いますので、カートリッジ交換をする際にはその蛇口にあったカートリッジを調べて準備する必要があります。
古い蛇口になるとすでにカートリッジの製造が終了していることもありますので、その際は蛇口の交換をしましょう。
レバー式蛇口のレバーが硬くなった
この場合も上記の水漏れ同様にカートリッジの不具合です。
レバーを上げ下げして操作するカートリッジの内部が住む図に動かなくなったことによって発生する不具合ですので、カートリッジを交換しましょう。
バルブ式蛇口(ハンドル式蛇口)のハンドルの根元からじわじわ水漏れする
この症状はハンドルの下にある山形のナットの中の三角パッキンと呼ばれるパッキンの磨耗によって起こります。
多くの場合、ハンドルを外しナットを外して三角パッキンを交換してあげることでおさまります。
デッキ式水栓の根元に使っていなくても水がたまる
この症状は使っている蛇口によって原因が変わってきます。
バルブ式(ハンドル式)蛇口の場合は三角パッキンの不具合でじわじわ漏れたお水がたまることが多いですし、レバー式水栓の場合はカートリッジの不具合でレバーの下からお水がじわじわと出てきてたまることが多いです。
修理についてはその原因によって交換部品が三角パッキンやカートリッジだったりします。
洗面台の下から水が漏れてきた
一番注意が必要なのが、この症状です。
洗面台の下の収納の奥の方に蛇口の取り付け部分や止水栓があります。
洗面台の収納には洗剤のストックなどたくさんのものが詰め込まれていることが多く、水漏れし始めてもすぐには気づきにくい場所です。
洗面台下の奥の方で漏れたお水がじわじわと溜まり、だんだんと手前の足元の方に染み出してきて初めて気付く方が多い現象です。
気付いた時には洗面台収納庫の床が腐っていたりします。
ですので、症状がひどくなるのを防ぐためにも、日頃からたまには洗面台の下の整理をしたりして確認してみてください。
この水漏れの原因として多いのは以下のふた通りです。
洗面シャワー水栓のシャワーホースやシャワーホースの蛇口本体とのつなぎ部分からの水漏れ
洗面シャワー蛇口は引き出せるように収納庫内部にオースがあるものが多く、このホースに穴が開いたりして水漏れします。
また、洗面台上に出ている蛇口本体(レバーのあるところ)下部に接続されているので、その接続部分から水漏れしていることもあります。
これらの修理にはシャワーホース部分を交換したりすることで対応しますが、蛇口各々に合うものでなければ交換できません。
交換部品を調べて合うものを準備することが大切です。
製造終了などで部品が手に入らない場合はシャワー水栓交換をお勧めします。
止水栓からの水漏れ
洗面台の収納庫の奥には湯水それぞれの止水栓があります。
この止水栓からの水漏れや止水栓と蛇口のつなぎの部分からの水漏れもよくあります。
止水栓は本来湯水の量を調節したり、止めたりするために開閉しますが、ほとんどのご家庭で洗面台を取り付けてから一度も触らずそのままになっています。
一度も操作することなく年数が経つと錆びついて止水栓の開閉ができなくなったり、水漏れしたりします。
また、止水栓の場合一番怖いのがちょっとした拍子に根元から折れてしまうことがあることです。
止水栓が折れるとそこから湯水が勢いよく噴き出します。
みるみるうちに洗面所が水浸しになってしまいます。
ですので、止水栓から水漏れした際には部品交換での修理もできますが、状態が悪いようでしたら一度新しいものへ交換をしたほうがいいでしょう。
特に井戸水をご使用のご家庭ではこの止水栓折れによる事故が多く発生しています。
ここまでざっとよくある洗面蛇口の故障について書いてみました。
洗面蛇口は洗面台に合わせて作られているものも多く、交換する際にも専用の代替え品でなければ取り付けできないこともあります。
ここ数年、洗面台の台側ではなく鏡側に蛇口がついているシャワー水栓なども増えてきましたが、これらのほとんどは専用蛇口でなければ取り付けができません。
最後に最近現場でよくある事例で代替え品の蛇口がなく(製造終了していて)蛇口の修理も交換もできないものをご紹介したいと思います。
パナソニック製の洗面台でシャワー水栓が鏡側についているタイプですが、蛇口の取り付けられている部分が斜めになっているタイプです。
この斜めになったところに取り付ける蛇口はその角度に合わせて蛇口も根元が斜めになっています。
ですので他の蛇口を取り付けるとおかしな角度になりますし、そもそも取り付け穴の形が合いません。
パナソニック製の洗面台ではこのタイプをよく見かけますが、品番によって代替え品があったりなかったりします。
代替え品がない場合は取り付けできる蛇口がありませんので、洗面台を交換するしかない状況です。
この判断は現場で確認してみないとできませんので、お気軽のご相談ください。
以上のように洗面蛇口はご家庭の蛇口の中で一番形や種類が多い蛇口です。
それだけに修理も蛇口交換もちょっとハードルが高くなっています。
水漏れなどの不具合が起こった時には早めにご相談ください。
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