水道管について | 給水管・給湯管の種類
投稿日:2020.04.25
私達の生活において欠かすことの出来ないのがお水です。
家の中の蛇口をひねればすぐに水やお湯が出てきますがその為に必要なのが、家の中を通っている水道管(給水管・給湯管)です。
水道は水道局が維持管理や敷設をしており、水道局が設置した配水場から給水地区まで配水管(水道本管)で水を運び、配水管から枝分かれして各家庭の量水器(水道メーター)へとつながり
そこから給水管を通って家じゅうの蛇口へと水が運ばれています。
また給水管から給湯設備(ガス給湯器や電気温水器、石油ボイラーなど)へとつながりそこで沸かされたお湯が給湯管を通って同じく家の中の蛇口へとつながっています。
配水場や配水管は水道局により管理・運営されていますが敷地内の水道管(給水管・給湯管)はそれが引かれている土地家屋の持主が、管理や整備をしなくてはなりません。
水道管が劣化すると水漏れの原因になりますのでここでご自宅の給水管・給湯管の種類について知っていただければと思います。
給水管の種類について
給水管には、主に金属製のものと樹脂製のものがあります。
それぞれの材質により特徴が異なりますのでその事について説明します
金属製の給水管
金属製のものとしては水道が普及し始めた頃は鉛管が水道管の材料として全国的に使用されていました。
しかし、他の水道管と比べて水漏れが多いことや、水道水に鉛が溶け出すなどの健康面への影響が心配され、現在は全国で鉛管の取り替え作業が進められています。
また、一昔前まで最も一般的にどの家庭でも使われていた配管といえば「鉄管(鋼管)」です。
鉄だけに丈夫で耐震性もあり、長い間一般的な水道管として多用されてきました。
しかしサビやすい材質のためサビが原因で小さな穴が開いたり、劣化してくると水道管の中にさびが発生し、水が赤くなるという不具合(赤水)が生じたりします。
そのため最近のリフォームなどの現場において鉄管(鋼管)が使用される事はほとんどなくなりました。
そのほか、金属管としてはステンレス鋼管などがあります。
ステンレス鋼は錆びにくく高い耐食性があり、耐用年数も長く優れた金属管ですが他の管と比べ非常に高価な為、一般家庭向きというよりもより衛生面での安全性などが重要視される食品関連の工場設備などで使われることが多いようです。
樹脂製の給水管
金属製の給水管にかわり一般的になったのが樹脂製の給水管です。
樹脂製の給水管といえばまず思い浮かぶのがはねずみ色の「VP管」です。
皆様も見かけた事があるのではないでしょうか。
こちらの「VP管」はプラスチック樹脂のためサビによる漏水がなく加工が容易というメリットがあります。
その反面「VP管」は衝撃に対する強度が低く、施工中や利用中に破損する事がありました。
また、低温時はさらに耐衝撃性が低下し割れやすくなるため、寒冷地を中心として問題となる欠点を抱えていました。
そのため素材を改良し、衝撃に対する性能を大幅に強化したのが「HIVP管」です。
「HIVP管」色は紺色で塩ビは本来透明ですが混ぜられている顔料の違いにより色が異なります。
この「HIVP管」は通常の塩ビ樹脂に、耐衝撃性改良剤を強化剤として混合しています。
この強化剤を5-20%程混ぜることで、強化剤の粒子が衝撃エネルギーを吸収し粘り強くなるため、破損を防ぎます。
ただこの「VP管」と「HIVP管」は樹脂製ならではのデメリットもあり、急な温度の変化に弱いため、
凍結時に割れやすく冬季に漏水(水道管破裂)することがあります。
紫外線にも弱く、屋外で太陽光に当たり続けると劣化してしまい割れやすくなります。
熱にも弱く給湯管には使用できません。
現在の主流「ポリ管」
正式名称を「ポリエチレン管」といい、現在よく使用されている水道管です。
新たに家を建てたり、リフォーム工事で水道管を取り換えたりする際、用途によってHIVP管とポリ管が使われています。
取り外し・取り付けが容易なため人気となっています。
水道管の工事では、管と「継手(つぎて)」という部品を接着剤や工具などを使って接続するのが通常ですが
ポリ管は接続時に専用工具も接着剤も必要なく、手ではめ込むだけでつなげられます。
さらに、比較的熱や振動、化学物質などに強いという特徴があります。
戸建て住宅やマンションの室内配管に使用されるものとしては
「架橋ポリエチレン管」と「ポリブデン管」があります。
「架橋ポリエチレン管」は白色で少し硬いパイプで
「ポリブデン管」はクリーム色で少し柔らかいパイプです。
どちらも熱に強いことから湯・水両方の配管として使用が出来ます。
給湯管の種類について
つづいては給湯管の種類について説明します。
給水管から送られた水を給湯器で沸かしそのお湯を蛇口へと運ぶのが給湯管です。
給湯管は高温のお湯が流れるため給水管とは異なる特徴を持つパイプが使用されることが多いです。
金属製の給湯管
まずは金属製の給湯管として以前から多く使用されていたのが「銅管」です。
銅管とは、その名の通り銅で作られている水道管で、鉄管や樹脂管と比べ、熱に強いという特性があるので、こうした用途に適しているといわれています。
ただ接続の際には「はんだ付け」を行う必要があるので、工事に手間がかかるという一面もあります。
また局部腐食(サビ)により針で刺したような穴(ピンホール)が生じてしまい水漏れを起こすことがあります。
樹脂製の給湯管
給水管で出てきましたが通常の「VP管」は熱に対する耐性が低く、高温の給排水では使えないという弱点がありました。
そのため素材を改良し、高温に対する性能を大幅に強化したのが「HT管」です。
給水と同じく現在の主流は「ポリ管」
給水管の時にも触れましたが「ポリエチレン管」は熱に強く
現在では湯・水両方で幅広く使用されています。
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