水道事業の広域連携って何?
一般の方にはあまり馴染みがないことかもしれませんが、最近「水道事業の広域連携」という言葉を耳にすることがあります。
馴染みなあまりないかもしれませんが、実はかなり皆さんにも影響してくることだと思いますので、今回はこの「水道事業の広域化」について描いてみたいと思います。
水道事業とは?
そもそも水道事業とはどんな事業のことでしょうか?
水道に関わる仕事全てを指しているようにも感じます。
だとしたらうちの様な水道屋さんも水道事業でしょうか?
いいえ、違います。
一般的に水道事業というのは水道によって水を供給する事業のことです。
わかりやすくいうと水道局です。
水道事業はその業務内容から見ても公共性、公衆衛生の見地から事業の経営には厚生労働大臣の認可が必要で原則として市町村が経営するものです。
市町村以外のものでも対象地域の市町村の同意を得たうえで厚生労働大臣の認可を受ければ経営できます。
地域の皆さんの生活や事業に必要不可欠なお水を供給する仕事なので、公共性や公衆衛生などは非常に重要視され、営利のみを目的とした一般企業などが行うことは出来ない様な感じです。
その業務内容は水源を確保し綺麗なお水を作り、そのお水を対象地域の方のところに届けるための水道設備を作り、またその水道設備の維持管理を行うといったものになります。
水道事業の課題
では現在の水道事業が直面している課題にはどんなものがあるのでしょうか?
- 人口の急激な都市集中
- 水源の不足
- 水質の悪化
- 独立採算制の維持
などが挙げられます。
特に人口減少の見られる地方などでは採算性の悪化などが原因となり、水道設備の維持管理が思う様に進まないなどといった問題が発生しています。
たまにニュースで道路に水道のお水が噴き出している事故などを見かけますが、あれなどはまさに古くなった水道本管が破損して事故につながったものがほとんどです。
こういったことが起こらない様に水道事業者では水道インフラの維持管理が行われますが、経営状況が悪化するとなかなか難しくなります。
こういった事態を防ぐために水道事業者は水道代の値上げなどを行わざるを得なくなりそうです。
水道事業の広域連携とは?
前述した様な問題点を解決するために最近動き出したのが水道事業の広域化です。
これまで市町村が独自に行ってきた水道事業をその枠をなくして県や市町が一体となって行っていこうというものです。
広い地域で連携して水道事業を行うことによってコストの削減やそれによる水道料金の値上がりの抑制などを目指すものです。
そのほか、連携することによって市町の枠を超えて水源の融通などができる様になることによって断水リスクを軽減したり、効率的な事業運営を行ったりすることを目指したものの様です。
ただ、やはりこういった大きな動きの場合なかなか全体の意見がすぐに一致するのは難しい様で、最近も新聞紙上などでは「〇〇市、〇〇市は水道事業の広域連携への参加に難色を示す。」といった記事が散見されました。
ここ数年、水道に関してはこういった水道事業の広域連携や水道事業の民営化などどいった話題が出てきています。
どの様な形になるにしても皆さんの生活に欠かせないお水がこれまで通りに供給される体制を整えてもらいたいところです。
世界で最も進んでいると言われる日本の水道が今後も永続することを望みます。
最後に広島県が発行している水道事業の広域連携についてのパンフレットを掲載しておきます。(画像をクリックすると拡大してご覧になれます。)