水道法について | 給水装置工事
皆さんは水道法というものがあることをご存知でしょうか?
水道法とは水道(上水道)について定める法律で、1957年に制定されました。
で、なんでいきなりこんなことを書くかと言いますと、各市町村の水道局の指定業者ってよく聞くと思うのですが、この指定業者ってなんのためにあるのか?ってことなんです。
それを説明するあためにはどうしてもこの水道法について説明する必要があるんです。
今回はそんな「水道法」から給水装置工事についてご説明したいと思います。
水道法(給水装置工事)
水道法第16条の2では水道事業者(上水道の供給者、水道局です)は
「水道装置が指定給水装置工事事業者以外の施工による給水装置工事に係る時は、供給規定の定めるところにより、その者の給水契約の申込みを拒み、又はその者に対する給水を停止することができる。」(第三項)とされています。
給水装置工事というのは
水道本管から分岐して各家庭に設けられた水道管や水道管に直結する給水用具(蛇口など)の工事(新設や取り替えなど)
のことです。
水道法第16条の2に書かれていることをわかりやすく言い換えると、
「ご家庭の水道管や蛇口などの修理や交換は水道局指定業者にしてもらわないとダメですよ。指定業者以外が工事した場合は水道を止めることがありますよ。」
ということですね。
なぜこのような厳しい規定があるのかというと、各ご家庭の蛇口や水道管などは水道メーターを経由して水道本管につながっています。
水道本管は一件のお宅だけではなく地域の各ご家庭につながっています。
万が一その中の一件でも不適切な工事や修理が行われてしますと、そこからつながっている本管や地域の他のご家庭の水道にも被害が及ぶ可能性があります。
ですから、このように厳しい規定を作って水道局指定業者という的確に知識と技術を持っ
た業者に修理や工事は依頼してくださいね、ということにしているのです。
ただし、この規定ですが例外があります。その内容は
「厚生労働省令で定める給水装置の軽微な変更であるとき、又は当該給水装置の構造及び材質が前条の規定に基づく政令で定める基準に適合していることが確認されたときは、この限りではない。」
となっています。
この例外規定について説明させていただきますが、まず先に後半部分の説明を済ませます。
「当該給水装置の構造及び材質が・・・」というのは、使用される水道管や蛇口などの器具、並びにその施行について水道法施行令第5条などに適合すると確認されたものが該当します。器具については公益社団法人 日本水道協会のマーク「JWWA」などがついていれば問題ないと思われます。施行については適切に行われているかは水道事業者の判断によりますが、実際のところ無資格の人が行なった施行をいちいち水道局が判断するのは現実的ではないため、正しい施行が行えると思われる事業者を指定業者としていますので、概ねどこの市町村でも指定業者による施行以外は認められていないのが実情です。
なぜ、後半部分の説明を先にしたかというと、一般の皆さんにより関係してくるのが前半部分であると思われるからです。なので、先に後半部分の説明を簡単にさせていただきき、前半部分の説明に移らせてもらいたいと思います。
軽微な変更とは
先ほどの例外規定の前半部分
「給水装置の軽微な変更」
とは一体どういうことでしょうか?
水道法施行規則(給水装置の軽微な変更)第13条によると
厚生労働省令で定める軽微な変更は、
単独水栓の取り替え及び補修並びにこま、パッキン等給水装置の末端に設置される給水用具の部品の取り替え(配管を伴わないものに限る。)とする。
とあります。
この第13条では単水栓(お庭にある水栓柱などについているハンドルをひねると水のみが出る蛇口)やパッキン交換くらいは軽微な変更としてあれがやってもいいですよ。となっているように思われます。
実際のところ、この軽微な変更については各市町村で多少の認識の違いがあるようです。
パッキン交換までを軽微な変更として認めているところがほとんどだと思います。
気になる方はご自分の住まれている市町村の水道局などに確認してみてください。
で、ここで気になることがあります。
最近ではホームセンターやネット通販などで誰でも様々な給水装置(パイプや蛇口など)が買えます。工事や取り替えのやり方なども店頭に説明のポップがあったり、ネットで公開していたりします。
DIYが流行っているので、ご自分で蛇口を取り替えたりする方も多くいらっしゃると思います。
自分の家のものを修理したり交換したりするのは勝手じゃないかというご意見もよくわかります。
ですが、こと水道関係に関していえば上記のような水道法の規定などがありますので、「軽微な変更」に該当しないところについては私たち水道局指定業者にご依頼いただければと思います。
とはいえ、やはり蛇口くらい自分で取り替えたいという方もいらっしゃると思いますので、そこについては自己責任でご判断いただくとして、次回はそれでも自分でやりたいって方に向けて、少しでも参考になることを書かせてもらおうと思います。