介護保険住宅改修について
先日、広島市中区のアステールプラザにて広島市主催の「令和元年度介護保険住宅改修事業者研修会」が行われました。
毎年行われている研修会ですが、弊社もこの研修会に参加しました。
介護保険住宅改修工事を行う事業者として必要な手続きなどについての研修とゲスト講師による講演会という内容です。
今回はこの介護保険住宅改修制度について書きたいと思います。
介護保険住宅改修とは?
介護保険における住宅改修については厚生労働省のホームページなどで詳しく説明されていますが、なるべくわかりやすく要点をまとめてみたいと思います。
要介護(支援)認定を受けているご高齢の方達の多くが住み慣れたご自宅で生活を続けたいと思っています。
しかしながら、日本の住宅はまだまだバリアフリー化が進んでおらず、足腰に負担のかかる段差があったり、歩行を補助する手すりがなかったりなど問題が多くあります。
介護保険における住宅改修制度とは、こういった日本の住宅の問題点を解消してご高齢の方が施設などに入所するのではなく、在宅で生活できるようにするための支援制度です。
詳しいことは厚生労働省 福祉用具・住宅改修に関する法令上の規定についてに書かれていますが、要点を書き出してみたいと思います。
利用できるのは?
介護保険の要介護(支援)認定で要支援1、2または要介護1〜5の認定を受けていて、在宅で生活されている方ですが、以下の三つを全て満たしていることが必要です。
・住民登録されている住所で実際に住んでいる住宅である
・被保険者の身体の状況、住宅の状況により必要と認められる改修である
・支給対象となっている住宅改修である
このようになっているので、住んでいない家の改修や必要のない改修は認められませんし、支給対象として定められているもの以外の改修は含まれません。
支給対象となる工事は?
・手すりの取り付け
・段差の解消
・滑りの防止及び移動の円滑化のための床または通路面の材料の変更
・引き戸などへの扉の取り替え
・洋式便器への取り替え
・そのほか、これら住宅改修に付帯して必要となる工事
となっています。
付帯して必要となる工事とは、例えば廊下に手すりを取り付ける際に下地の補強が必要な場合はこの下地補強工事も対象となります。
利用限度額は?
支給限度基準額というものが定められており、この支給限度基準額が20万円となっています。
このうち自己負担の割合が1割、2割または3割と定められていますので、9割、8割または7割を介護保険から支給してもらえます。
よって被保険者一人につき、18万円、16万円または14万円が限度額です。
また、一度の工事で全額使い切る必要はありませんので、例えば1割負担の方が10万円の住宅改修工事を2回行って9万円を二回受け取ることもできます。
一人一人に利用限度額が決まっていますので、ご夫婦お二人で暮らしている場合は二人分利用できます。
その他、転居した場合や要介護度が3段階以上上がった場合には新たに支給を受けることができます。
支給方法は?
介護保険住宅改修費の支給は
・償還払い
・受領委任払い
のふた通りの方法で行われます。
簡単に説明すると
・償還払いとは工事完了後、一旦全額を自分で工事業者に支払い、その後自己負担分を除く金額を各市町村から支給してもらえます。
・受領委任払いとは工事完了後自己負担分だけを工事業者に払い、保険給付分については各市町村が直接工事業者に支払います。こういった違いから、受領委任払いはより利用者の方の負担を軽減してくれる制度と言えます。
注意点としては受領委任払いを利用する場合は改修工事を行う業者が各市町村に受領委任払い事業者として登録していないといけないということです。
利用手続きは?
償還払いと受領委任払いで提出書類に多少の違いがありますが、どちらを利用するにしても必ず工事前に事前申請が必要になります。
提出書類もたくさんありますので、まずは担当のケアマネージャーさんや地域の包括支援センターなどに相談してください。
ここまで介護保険における住宅改修についての概要を書かせてもらいました。
今度は具体的な介護保険住宅改修の工事内容などについて書きたいと思います。
そのほかにも広島市にはこの制度とは別に「広島市高齢者等住宅改修費補助」といった制度もあります。
この制度についてもそのうち書きたいと思います。
こういった公的サービスを利用してみなさんの生活がより快適になればいいなと思います。
ちなみに弊社は広島市・呉市などで受領委任払い事業者の登録をしています。
福祉住環境コーディネーター2級の資格を持ったスタッフもいますので、いつでもお気軽にご相談くださいね。