井戸ポンプの種類について | 浅井戸ポンプと深井戸ポンプ
以前のコラムにて井戸の種類についてのお話をさせていただきました。
一言で井戸と言ってもその水深の違いや採取する場所などによって浅井戸・深井戸と違いがある事を知っていただけたかと思います。
いざ井戸水を使用したいと思った時に浅井戸と深井戸どちらを選べばいいのかとわからない事もあると思います。
その事を踏まえて今回のコラムでは井戸ポンプの種類や違いなどについてお話したいと思います。
井戸ポンプの仕組み
そもそも井戸ポンプというのは井戸水を汲み上げるためのポンプの事をいいます。
この井戸ポンプには手押しポンプと電動ポンプの種類があり
現在ご家庭用では電動ポンプを使用している所が多いのではないでしょうか?
またこの井戸ポンプには浅井戸ポンプと深井戸ポンプの2種類があります。
こちらは使用する地下水の種類によって使用するポンプが決まってきます。
手押しポンプと電動ポンプ
手押しポンプとはその名の通り手で押して水を組み上げるポンプの事です。
昔のテレビや映画などで見られる物で有名なものだと「となりのトトロ」で
野菜を洗ったりするので出てきたのでイメージは沸きやすいのではないでしょうか?
ちなみに私の父方の祖父の家には昔この手押しポンプがありました。
電気を使わなくていいので、電気代がかからなく、災害時停電したときにも水が使えます。
半面手で押すのに力がいりますので、一気にたくさん水を使う場合は手が疲れてしまいます。
電動ポンプとは電気で動かして水を出すポンプの事です。
手押しポンプとは違い蛇口をひねれば水が出るため力がいらず大変便利です。
ただ電気を使うので電気代がかかり停電時には水が出なくなります。
浅井戸ポンプと深井戸ポンプ
浅井戸ポンプとは大気圧を利用して水を組み上げるポンプの事でポンプの先についた給水管の中を真空状態にすることで水を吸い上げる事が出来ます。
ストローで飲み物を吸い上げるのと原理は同じです。
大気圧を使用して地表から8メートル位まで吸い上げる事が可能です。
深井戸ポンプとは浅井戸ポンプでは対応出来ない深さに水面がある時に用います。
給水管で吸い上げ可能な高さまでジェットポンプを使用して水を押し上げてポンプで水を組み上げます。
深井戸ポンプのジェットには吸込管と圧力管と呼ばれる2本の管があり、圧力管でポンプから井戸へと水を送りこみ送った水をジェットポンプについたジェットノズルから
吸込管へ圧力をかけた高速水を送りこみます。
ジェットノズルからの高速水と井戸水が混ざって圧力が上がることで揚水作用が起こり
ポンプで水を組み上げる事が出来ます。
(地下から引き上げた深井戸のジェット部です。)
使用する地下水の水面の高さで浅井戸ポンプと深井戸ポンプのどちらを使用するのかが決まってきます。
ですので井戸を掘削する際に業者の方とよく相談することが大事になります。
各種の故障などについて
井戸ポンプの給水管には逆止弁という部品がついています。
この逆止弁は水の逆流を防ぎ給水管内の状態を真空に保つ役割を果たしています。
この逆止弁が損傷したときは呼び水を入れることで状態が回復しますが
状態が悪化すると呼び水では回復しなくなっていきます。
呼び水を入れても回復しなくなった時には早めに修理してください。
他に圧力スイッチがあります。
圧力スイッチは水を吸い上げている途中に蛇口を閉めると圧力が上がりオフになります。
また蛇口を開けることで圧力が下がり自動的にオンになる仕組みです。
圧力スイッチが圧力を感知してコントロールパネルに信号を送りオン、オフをコントロールするものもあります。
このシステムが故障するとコントロールパネルが不具合を起こしオンオフを何度も繰り返す故障もあります。
砂こし器について
砂こし器とは一般家庭用井戸ポンプにおいて
吸い上げる井戸水の中の砂や異物を除去する為の物です。
ポンプの手前に設置することで砂や異物がポンプの中に入らないよう防ぐことで
ポンプを故障から守る役割を果たしています。
砂こし器の中に溜まった砂や異物を定期的に取り除くことで
長くフィルターとして使用することができます。
この砂古式を取り付けた事例もこのホームページに紹介していますのでご覧ください。
家庭用井戸ポンプの寿命は10年~15年位と言われています。
長く使用して錆びついたりする事や正常に動作しないなど気になる事があれば
早めにご相談下さい。