皆さんは排水の桝(マス)についてご存じでしょうか。
排水詰まりを予防するためのメンテナンスや、万が一、排水詰まりが起きてしまったときなどに対処するためにあるのが桝(マス)です。
戸建ての住宅でしたら、敷地内の建物の周りの地面にマンホールのよう蓋があると思います。
塩ビ製のものや鋳物製、コンクリート製など様々な材質のものがあり、大きさもいろいろです。
形も丸いものと四角いものがあり、穴が空いているものもあります。
これら、排水枡(マス)は普段何気なく生活して水を使っていて、あまり気にすることはないと思いますが、定期的な点検やメンテナンスをしないと排水不良が起こるかもしれません。
排水方式と排水枡(ます)の種類
排水枡を設置している場所は、家の角やトイレ、台所、浴室、洗面所など、排水が出る箇所の外側や、合流するところにあります。
下水の方法は分流式と合流式の二つあります。
合流式下水道は、雨水と汚水を同じ配管で流しています。
分流式下水道は、雨水と汚水を別々の配管で流しています。
そのため、分流式下水道の桝は二種類あります。
枡の種類は大きく分けると以下の三つに分かれます。
汚水枡(おすいます)
トイレ、台所、浴室、洗面所などの汚水が流れる所に使用される枡です。
雨水枡(うすいます)
雨水が流れる所に使用される枡です。
公共枡(こうきょうます)
敷地内の排水管(ますを含む)と敷地外の公共下水道などを繋ぐ枡です。最終枡(さいしゅうます)とも呼ばれます。
枡はその素材によっても種類があります。大きく分けると以下の二種類です。
塩ビ製枡(えんびせいます) | 小口径ますなど
ポリ塩化ビニル製の枡です。現在では最もポピュラーな枡です。
コンクリート製枡(ます) | コンクリます
コンクリートで作られた枡です。枡本体はコンクリートで蓋は鋳物製のものが多く、塩ビ枡が普及するまでは広く使用されていました。
コンクリート枡の問題点 | 経年劣化と対処方法
さて、ここまでは排水枡についての一般的なことを書いてきました。
御御自分の家の排水ますがどんな枡なのか是非確認してみてください。
コンクリートでできた桝だったりしませんか?
コンクリート桝は古い建物でみられることが多いです。
一般的にコンクリート桝の寿命は約20年程度と言われています。
では、コンクリート枡は年月が経つとどのような問題点があるのでしょうか?
コンクリート枡の問題点
コンクリート枡は年数が経って脆くなるとコンクリートにひびが入ったり排水管との設置面がはがれて隙間ができたりします。
そうすると木の根が隙間から入り込むため、つまりの原因や、汚水が漏れて悪臭の原因になります。
隣の敷地へ汚水が流れてしまうと、ご近所トラブルになることもあります。地盤が落ちて逆勾配になると上手に排水されません。
排水がつまる、水がきれいに流れない、水が桝からあふれ出る、敷地内の土が陥没している、流すと変な音がするなどの症状は、排水管や排水枡などの排水設備に原因があることが多いです。
その多くがコンクリート枡の経年劣化によるひび割れや、ひどい時には枡の底が抜けているために引き起こされています。
もしご家庭の桝がコンクリートのものでひびや隙間ができていたら取り換えのサインになります。
まずは、ご自宅の排水枡の蓋を開けて確認してみましょう。
コンクリート枡の交換 | コンクリート枡から塩ビ枡への交換
弊社では古くなったコンクリートの桝を塩ビの桝へ交換する工事のご依頼を頂くことが多くなっています。
塩ビの枡に交換する利点は、塩ビのパイプと桝を接着させてつけるため隙間がなく、コンクリート枡よりも耐用年数が長い点です。
今は住宅排水に使われる桝は塩ビ製のものが一般的で、耐久性も優れておりひび割れも起こりにくいです。
工事の際には、古いコンクリート桝を壊しながら周りを掘り起こして配管を出現させます。
桝を置いて配管をつなげて再度土を入れて埋め戻します。
排水してみて異常がなければ完了です。
塩ビの桝は種類が限られているため、場合によっては増設することもあります。
メンテナンス方法としては、年に一度桝のふたを開けて汚れを落としたり、高圧洗浄機で排水管内をきれいにするとつまりにくく、悪臭も防げます。
排水の水がたまるトラップのある場合は、底にたまったゴミなどの沈殿物をすくって処分してください。
排水管を傷付けてしまう可能性もあるため、不安でしたら定期的に業者に頼むのがよいでしょう。
特に汚れやすいのは台所の排水です。油が固まりとなって流れを塞いでいることがとても多いです。この固まった油を放置しておくと白い軽石のようになってしまって完全に排水管を塞いでしまい、除去するのに相当な費用と時間を費やすことになってしまします。
普段からのメンテナンスが重要ですね。
今回はあまり皆さんが日頃気にされていないと思われる排水枡について書いてみました。
枡の蓋を開けたこともないって方の方が多いと思います。
ですが、やはり普段の生活に欠かせない大事な設備ですので、これを機会に是非一度蓋を開けて確認してみてください。
何か不具合があればいつでの弊社にご連絡ください。